子之神社の「お的まつり」
新年あけましておめでとうございます。
1月9日(木)に地域の神社である子之神社(ねのじんじゃ)で「お的祭」という行事があったので見学参加させていただきました。
「お的祭」は五穀豊穣と地域の安全を祈願して、裏面に「鬼」と墨書された的を弓矢で射る行事です。
また子之神社は源義経が「やじり」を祠に納めたことが由緒とされており、弓矢と関係の深い神社であるようです。
子之神社のお的行事がおもしろいのは、神事としての「お的あて」のあと、一般の見学者にも弓矢で的を射らせてくれることです。
弓矢を扱った経験などありませんでしたが、「神社で射的をやらせてもらえるのは面白そう」と密かに楽しみにしていたのでした。
神社の拝殿内での祈祷のあと、神官と年男たちが「お的」をはじめます。
トップバッターの神官はあっさりと矢を的中させたのですが、続く年男たちには弓矢の経験者がほとんどいなかったようでなかなか的に矢が当たりません。それどころか真っすぐ飛んでゆく矢もそう多くはなく、「弓で矢を射るというのは実は難しいことなのではないか?」という感じがしてきました。
矢が的に当たらず的の後ろの土手に矢が刺さるのはよい方で、的に届かず途中で力尽きたように落ちてしまう矢、弓から横に飛び出してひょろひょろと力なく落ちる矢もけっこうあります。
そんな状況を見ていると、楽しみにしていた射的でしたがとても自分でやってみよう、という気持ちにはなれません。
年男たちの射的が終わって、氏子会の方が周囲の一般見学者に射的を勧めてくれる時間となりましたが、引っ込み思案に陥ってしまって「いえいえ、とんでもない」という感じで辞退してしまいました。
しかし他の一般参加者がわらわらと矢を射る場所に並び始めたのを見てウズウズと「この機会を逃すのはもったいない!」という気持ちが引っ込み思案を上回り(こういったことありませんか?)、おずおずと矢を射る列に並ぶことにしました。
実際に弓を持ってみると、弓と矢はいわゆる弓道で使われるような市販のものではなく、弓は木の枝をギュッとしならせて麻ひもを張ったもの、矢は青みがかった竹の矢です(後で調べたところ、弓は梅の枝、矢は篠竹で、お的祭りを主催している氏子会の方が地元の材料で毎年手作りしているそうです)。
近所の保育園の散歩に子どもたちが見学に訪れており、囃し立てられるプレッシャーもひしひしと感じながら、無心で、というよりもなかば慌てて、矢を弓つがえてスッと離すと、自分でも驚くほど矢がまっすぐに的に向かって飛んでいき、的の端っこに当たったのでした!
弦を離した解放感と同時に矢が手元からシュッ!と風を切ってまっすぐに飛んでいき、スパン!と小気味よい音を立てて的に矢が立つ。これは本当に気持ちの良いもので、もっと弓矢を射ちたくなってしまうほどでした。
先程までの引っ込み思案はどこへやら、今年がよい一年となりそうだと、すっかり前向きな気持にさせてもらったのでした。