仕事探しが変わるかも「Googleしごと検索」
Googleの検索結果に新しいカテゴリが
Googleを使っていると、時折「求人」という青い見出しで検索結果が現れることに気づきました。
なんだろうと思い調べてみると、Googleが2019年1月から始めた「Googleしごと検索」という新しいサービスなのだそうです。
これはウェブ上の求人情報サイトや企業の採用ページ等からGoogleが求人情報を取得しまとめて表示してくれる、いわばGoogleニュースの求人版といえるものです。
少し確認してみたところ、Googleらしく画面が見やすく条件検索も使いやすいので(地域名・指定地域からの距離・掲載日・雇用形態・企業名でフィルタが可能)、仕事を探すときに「Googleしごと検索」を中心に仕事を探す人も多いのだろうなと感心しました。
これはすごいサービスかも、と思って調べてみると、「Googleしごと検索」と同様のいわば「求人検索エンジン」はテレビでCMもやっている「indeed」、大手ヤフーの「Yahoo!しごと検索」をはじめとしてすでに類似のサービスが競争を繰り広げているようです。
求人媒体は大きく変化している
私見ではありますが、ざっと振り返ってみるとこの15年の間にも求人方法は大きく変化しており、流れとしては下のとおりではないかと思います。
・紙媒体の時代
求職者は新聞折込広告や求人フリーペーパーを閲覧し、履歴書を郵送し応募していた。
↓
・求人サイト・求人アプリの時代
求人紙の情報をWEBで閲覧・検索できるようになり、求職者は自宅にいながら自分にあった求人条件で仕事を探し、手元の端末から応募できるようになった。
↓
・(今ここ)求人検索エンジンの時代
求人サイトの情報を検索エンジンが整理集約するようになり、求職者はより効率よく広範囲から求人情報を収集し応募できるようになった。
求人検索エンジンは画面のつくりに多少の差異はあるものの、求人情報サイトの情報を縦覧して集約し検索条件でフィルタをかけるという機能はどのサービスもほぼ変わりません(「Googleしごと検索」だけは求人情報サイトだけでなく企業の求人ページからも情報を収集するらしいのですが、私が見た限りではそのような求人情報は見つかりませんでした)。
求人検索エンジンは、この分野の先駆けといえる「indeed」が2009年11月にサービスを開始し(おそらくリクルートが買収した2012年9月以降にサービスが本格化)、 「Yahoo!しごと検索」が2016年11月にサービス開始、そして検索業界最大手、大本命といえるGoogleがついに今年1月から日本で「Googleしごと検索」をスタートさせたということになります。
「仕事さがしの大巨人」ハローワーク
ここで気になるのが、わが国における「仕事さがしの大巨人」であるハローワークです。
現代の求人媒体として求人サイト・求人アプリが目立ってきたとはいえ、ハローワークにはまだまだ仕事が集まってきますし、利用する人も多いのです。
総務省が作成する統計資料から、年齢別の求職方法の表を作成しました。
上記の表は、年代別によく使う求職方法を表にしたものです。
各年齢階級ごとに、一番よく使う求職方法に赤色、次によく使う求職方法に黄色で着色しました。
ひと目見てわかるとおり、「公共職業安定所に申し込み」と「求人広告・求人情報誌」で各年齢階級の6割以上を占めており、15歳~24歳の世代を除いて「公共職業安定所に申し込み」を主に、「求人広告・求人情報誌(求人サイト・求人アプリもここに含まれると思われます)」を併用して仕事を探していく、という態勢が主流となっているようです。
求人サイトはたしかに便利ですが、雇用保険給付の関係もありまだまだ仕事探しの中心がハローワークであることがわかります。
ハローワークインターネットサービス
民間求人の進化・変化に対しハローワークはどうかというと、これまでどおりハローワーク窓口で求人情報を閲覧申し込みができるほか、「ハローワークインターネットサービス」でWEB上で求人情報を閲覧することができます。
ただWEBでは求人情報は閲覧できるのですが、求人情報に匿名のものがあってもどかしいことや、掲載される情報が条件面のみで無味乾燥なのがちょっと民間の求人サイトに比べて見劣りするように思います。
そしてなんといってもハローワークインターネットサービスでは求人情報の閲覧ができるだけで応募ができないことが、上記求人サイト・求人検索エンジンとハローワークインターネットサービスとの間に一線を画す大きなハンディとなっているように思います。
きっとHW関係で新しいサービスが出てくるはず
しかし雇用関係は政府がもっとも力を入れる部分でもあり、ハローワーク関連についても当然このままなはずはないでしょう。
「Yahooしごと検索」や「Googleしごと検索」が求人求職における大きなシェア・役割を果たそうとしていることが明らかなのであれば政府も手をこまねいているわけはなく、私見ですがすでに求人求職に関する新しいサービスの準備に入っているのではないか?と推測しています。
例えば、求人側からは求人票の電子化による求人情報掲示の容易化や、条件面だけでなくコメントを自由記載して企業の魅力をアピールできたり、求職側からは求人応募がWEBから可能になったり、またハローワークの求人ポータルサイトを経ることで紹介状つきで応募できたりなど?改善の余地は非常に大きいのではと妄想をたくましくしています。
ハローワーク関係は自分もサービスを提供している分野であり(例えば求人サポートとしてハローワークへの求人票提出代行などしています。あまり知られていませんが求人申し込みは社労士が事務代理として許可された業務の一つです)、変更があれば関係してくる部分も大きいのですが上記のようにこれから大きな変化が訪れる予感があります。これから来るであろうハローワーク関係の新しいサービスがどれほどのものであるか、瞠目して待ちたいと思います。